
「矯正治療で実際に起こった失敗例やトラブルを知りたい」
「矯正がうまくいかない原因やリスクを理解したい」
「矯正失敗時の対処法や修正方法を探している」
矯正治療を検討中の方で、矯正治療でどのような失敗が起きる可能性があり、どのようにすれば失敗を避けられるのか知っておきたいという方は多いのではないでしょうか。
矯正の失敗は、治療結果や健康面、費用や期間などさまざまな面で生じる場合があります。そこでこの記事では、矯正に失敗する原因や対策・対処法を解説します。
あらゆるケースでの矯正の失敗をご紹介しているため、矯正を検討している方や矯正に失敗して悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
1.矯正治療でよくある失敗例とは?

矯正治療でよくある失敗例として、以下の5つを解説します。
- 口元の印象が悪くなった(出っ歯・口ゴボなど)
- 理想の歯並びと違う仕上がりになった
- 噛み合わせが悪化し、頭痛や顎の痛みを引き起こした
- 歯並びが改善されないまま治療が終了した
- 治療後に後戻りしてしまった
1つずつ見ていきましょう。
1-1.口元の印象が悪くなった(出っ歯・口ゴボなど)
矯正治療の失敗として、歯を並べるスペースが足りず、口元全体が前に出てしまうケースがあります。たとえば、治療前より出っ歯に見える、横顔のバランスが崩れる、意図せず老けた印象になる場合があります。
横顔の美しさを考慮しない治療計画が原因のため、カウンセリングの段階で、口元の変化に関するシミュレーションをしっかり見せてもらうのが大切です。
1-2.理想の歯並びと違う仕上がりになった
矯正治療後に、歯の中心線がずれていたり、歯の傾きが気になったりと、理想と違う仕上がりになる場合があります。治療開始前に医師と患者さんとの間で、ゴールのイメージが十分に共有できていなかったことが主な原因です。
また、歯科医師の技術力や骨格的な限界も影響します。
治療前には希望の歯並びの写真を歯科医師に提示し、具体的なイメージを伝えてどこまで治せるのかを確認しましょう。
1-3.噛み合わせが悪化し、頭痛や顎の痛みを引き起こした
矯正治療によって見た目はきれいになっても、うまく食べ物を噛めない、頭痛や肩こりが起きる、噛み合わせが悪化する場合があります。見た目の美しさだけを優先し、歯が正しく機能するかといった点を軽視した治療計画が原因です。
患者さんによっては、特定の歯だけが強く当たる、顎がカクカク鳴るといった症状が出る場合もあります。
矯正治療は、見た目と正しい噛み合わせの両方を改善することが目的であると理解しておくことが大切です。
1-4.歯並びが改善されないまま治療が終了した
予定の期間を過ぎても歯のガタつきが治らず、不満な状態で治療が終わってしまうことも、矯正における失敗の一つです。この失敗は、治療計画に無理があったり、歯の動きの予測が不正確だったりすることが原因です。
また、患者さん自身がゴムかけの指示を守らないといった、協力が不十分な場合も計画通りに矯正治療は進みません。
治療開始前に十分な説明を受け、治療中は医師の指示をしっかり守りましょう。
1-5.治療後に後戻りしてしまった
一度きれいになった歯並びが、治療後にまたもとの状態に戻ってしまう「後戻り」も、矯正の失敗といえます。後戻りを起こすのは、歯並びを固定するためのリテーナー(保定装置)の装着時間が不足しているのが原因です。
矯正装置を外したあとの歯は、まだ不安定で動きやすい状態です。矯正治療は装置を外したら終わりではなく、その後の保定期間こそが治療の成否を分けるのを、心に留めておきましょう。
2.矯正治療で健康面に関する失敗
矯正治療で健康面に関する失敗は、以下の4つです。
- 治療中に虫歯や歯周病になった
- 歯茎が下がった歯の根が露出した(歯肉退縮)
- 歯の根が短くなった(歯根吸収)
- 歯を削られすぎた
1つずつ解説します。
2-1.治療中に虫歯や歯周病になった
矯正装置があると歯磨きがしにくくなり、治療中に虫歯や歯周病になることがあります。
矯正装置の周りは汚れが溜まりやすいため、プラーク(歯垢)を完全に除去するのが困難です。清掃不足が続くと、歯茎の腫れや虫歯の発症などで治療計画に影響が出る場合があります。そのため、歯科医院での定期的なクリーニングや徹底した予防管理をおこないましょう。
2-2.歯茎が下がった歯の根が露出した(歯肉退縮)
矯正治療で無理な力をかけると、歯茎が下がり歯の根が見える歯肉退縮が起こる可能性があります。とくに歯周病にかかったことがある方や、もともと歯茎が薄い方は歯肉退縮を起こるリスクが高い傾向にあるのです。
歯肉退縮は、歯が長くなったように見えて見た目を損なうだけでなく、冷たいものがしみる知覚過敏の原因の1つです。歯茎の状態を観察しながら、適切な力で歯を動かす治療計画が重要です。
2-3.歯の根が短くなった(歯根吸収)
矯正治療で歯に過度な力がかかると、歯の根が溶けて短くなる歯根吸収が起きる場合があります。歯根吸収が進行すると、歯を支える力が弱まり、将来的に歯が抜けやすくなるためです。
歯根吸収は自覚症状がないため、自分では気づきにくいのが特徴です。歯根吸収を防ぐには、治療中に定期的にレントゲン撮影をおこない、異常がないかを確認してもらうと良いでしょう。
2-4.歯を削られすぎた
セラミック矯正の場合、歯をきれいに見せるために健康な歯を削られすぎてしまうリスクがあります。歯を削りすぎると、神経にダメージを与えて痛みが出たり、神経を取る処置が必要になったりします。
健康な歯質を失うと、将来の虫歯や歯が割れるリスクも高まるため、治療前にどれくらい歯を削る必要があるのか、歯を削るリスクは何かを説明してもらい、納得したうえで判断しましょう。
3.矯正治療で費用・期間・プロセスに関する失敗
矯正治療で費用・期間・プロセスに関する失敗は、以下の4つです。
- 想定よりも治療期間が長引いた
- 想定よりも費用が高額になった
- 治療中の痛みが耐えられなかった
- 治療中のクリニックが閉院してしまった
1つずつご紹介します。
3-1.想定よりも治療期間が長引いた
当初の計画より治療期間が長引いてしまうのも、矯正治療でよくある失敗です。歯の動きには個人差があるため、必ずしも計画通りに進むとは限りません。
治療が長引いた場合、その分通院の手間も増えるため、医師の指示をしっかり守ることが大切です。
3-2.想定よりも費用が高額になった
矯正治療では、最初の見積もり以外に追加費用が発生し、最終的な支払総額が想定より高くなることがあります。毎回の調整料や、治療後の保定装置(リテーナー)代が別料金になっているケースや、途中で治療法を変更すると、追加料金がかかる場合も。
契約前に、どこまでが料金に含まれるのかを確認し、料金体系が明瞭な医院を選びましょう。
3-3.治療中の痛みが耐えられなかった
矯正治療は、歯を動かす力による痛みがともないますが、痛みに耐えきれず治療を中断する失敗があります。とくにワイヤーを交換したり、装置を調整したりした直後の数日間は、痛みを強く感じやすいです。
事前に痛みの程度や続く期間、痛み止めの服用といった対処法を、あらかじめ理解しておく必要があります。
3-4.治療中のクリニックが閉院してしまった
数年がかりの矯正治療の途中で、通っていたクリニックが閉院し、治療が中断する失敗も起こり得ます。すぐに引き継ぎ先が見つかれば良いですが、見つからない場合は治療が振り出しに戻る場合があります。
また、転院できても再度精密検査が必要で、追加の費用や手間がかかるのが一般的です。歯科医院とは長い付き合いになるため、医院の経営が安定的であるかもチェックしましょう。
4.矯正治療の失敗につながる個人の行動
矯正治療の失敗につながる個人の行動は、以下の4つです。
- 医師の指示(通院頻度・ゴムかけ等)を守らなかった
- 装置の装着時間が不足していた
- 治療中のセルフケア(歯磨きなど)を怠った
- 治療後の保定装置(リテーナー)を正しく使用しなかった
それぞれ見ていきましょう。
4-1.医師の指示(通院頻度・ゴムかけ等)を守らなかった
矯正治療の開始後、決められた通院日や、補助装置であるゴムかけの指示を患者さん自身が守らないケースがあります。また、予約をキャンセルし続けると、歯を動かすための調整がおこなえず、治療期間が延びる場合があります。
また、面倒だからとゴムかけを怠ると、歯並びは整っても、上下の歯がうまく噛み合わない仕上がりとなるおそれも。矯正治療を失敗しないためにも、医師と二人三脚で治療を進める意識が重要です。
4-2.装置の装着時間が不足していた
マウスピース矯正の場合、1日の装着時間が不足することで、期待していた治療効果を得られない可能性があります。
マウスピース矯正は、1日20時間以上という装着時間を守らないと、計画通りに歯が動きません。「少しだけなら大丈夫」といった油断が積み重なると、治療はどんどん長引きます。
また、無理に次のマウスピースに進もうとしても、歯に合わず強い痛みが出る場合もあるため、マウスピース矯正では、自己管理の徹底が治療成功に不可欠です。
4-3.治療中のセルフケア(歯磨きなど)を怠った
矯正治療中にセルフケアを怠ると、虫歯や歯周病が悪化し、治療が失敗する原因となります。装置の周りに溜まった汚れを放置すると、歯が溶ける、歯茎が腫れるなどの症状が出る場合があります。
仮に、治療中に虫歯で歯を削ったり、歯周病で歯が抜けたりすると、当初の治療計画そのものを見直さなければなりません。矯正治療を成功させるためにも、丁寧な歯磨きを心がけましょう。
4-4.治療後の保定装置(リテーナー)を正しく使用しなかった
矯正治療の失敗でよくある原因が、治療後の保定装置(リテーナー)の使用を怠ることです。
装置装置を外した直後の歯は、まだ骨が固まっておらず、歯が動きやすい状態です。この時期にリテーナーを決められた時間きちんと装着しないと、歯はもとのガタガタな位置へと戻るリスクがあります。
数年間の努力と費用を無駄にしないためにも、矯正治療後の保定期間はリテーナーの装着を徹底しましょう。
5.矯正治療の失敗につながるクリニック側の要因
矯正治療の失敗につながるクリニック側の要因は、以下の3つです。
- 医師の経験・技術が不足していた
- 事前の検査や診断が不十分だった
- 治療計画に関する説明や合意形成が不足していた
それぞれ解説します。
5-1.医師の経験・技術が不足していた
矯正治療の失敗は、担当医師の経験や技術不足が原因となる場合があります。歯を三次元的に動かす矯正治療は専門性が高く、経験が浅いと歯を正しくコントロールするのが困難です。
結果、見た目の不自然さや、噛み合わせの悪化を引き起こす場合があります。医院を選ぶ際は、日本矯正歯科学会の認定医といった、専門的な資格を持っているかを確認するのが、失敗を避けるための1つの目安です。
5-2.事前の検査や診断が不十分だった
治療を始める前の精密な検査や、検査にもとづく正確な診断が不十分なことも、矯正治療の失敗につながる原因です。歯並びの問題は、見た目だけでなく、顎の骨格や歯の根の状態が深く関係しています。
治療の課程で検査を省くと、歯が計画通りに動かなかったり、歯の根が短くなるなどの健康被害につながったりするおそれもあります。矯正治療を成功させるためには、しっかりとした検査で口腔内の状態を正確に把握してくれる歯科医院を選ぶのがポイントです。
5-3.治療計画に関する説明や合意形成が不足していた
治療計画の説明が不足し、患者さんと医師の間で認識のズレが生じるのも、矯正が失敗する原因です。「こんなはずではなかった」といった後悔は、治療のリスクや費用、期間について十分な説明がないまま進めると起こりやすくなります。
カウンセリングの段階で、少しでも疑問に思うことはすべて歯科医師に質問しましょう。治療計画書の内容に納得してから契約するのが、矯正の失敗を防ぐうえで重要です。
6.矯正治療で失敗を防ぐための対策

矯正治療で失敗を防ぐための対策は、以下の7つです。
- 矯正治療に関する正しい知識を持つ
- 費用だけで判断せず実績・経験・技術のある歯科医師を選ぶ
- カウンセリングで納得できるまで質問・相談する
- 自分に合った矯正方法を選択する
- 治療中は口腔ケアを徹底する
- 治療中・治療後に違和感があればすぐに相談する
- マウスピースは装着時間を守りお手入れを徹底する
1つずつ解説します。
6-1.矯正治療に関する正しい知識を持つ
矯正治療をおこなう際は、まず患者さん自身が治療に関する正しい知識を持つことが大切です。
治療にどれくらいの期間がかかるか、どんなリスクがあるかを知らないままだと、「こんなはずではなかった」といった失敗につながります。
歯科医師の説明をしっかり聞き、理解できない点は遠慮なく質問するようにしてください。正しい知識を持ち、納得のいく治療をおこなわれます。
6-2.費用だけで判断せず実績・経験・技術のある歯科医師を選ぶ
矯正治療の失敗を避けるためには、費用だけで判断せず、経験豊富で技術のある歯科医師を選ぶことが大切です。
矯正は専門性が高い治療のため、安さだけで選ぶと、経験の浅い医師が担当になるリスクがあります。日本矯正歯科学会の認定医といった資格や、Webサイトで自分と似た症例の実績を確認しましょう。
6-3.カウンセリングで納得できるまで質問・相談する
矯正治療で後悔しないためには、初回のカウンセリングで納得できるまで質問し、同意したうえで治療を始めるようにしてください。
治療期間や総費用、考えられるリスクなど、少しでも分からないことがある場合は遠慮なく聞きましょう。
すべての疑問を解消し、医師との信頼関係を築くことが、満足のいく矯正治療につながります。
6-4.自分に合った矯正方法を選択する
矯正治療を成功させるには、自分の歯並びの状態やライフスタイルに合った治療法を選ぶことが重要です。目立たないのを優先するならマウスピース矯正、複雑な歯並びを確実に治したいならワイヤー矯正がおすすめです。
近年、見た目に配慮された矯正装置の種類もあります。それぞれの治療法の長所と短所を医師とよく相談し、無理なく続けられる治療法を選びましょう。
6-5.治療中は口腔ケアを徹底する
矯正治療の治療期間中は、徹底した口腔ケアが欠かせません。
矯正装置の周りは歯ブラシが届きにくく、磨き残しが多くなりやすいです。歯磨きだけでなく、歯間ブラシやフロスも使い、隅々まで汚れを落とす習慣をつけましょう。
また、歯科医院での定期的なクリーニングも重要です。お口の健康を保つのが、治療計画をスムーズに進めるうえでの大前提といえます。
6-6.治療中・治療後に違和感があればすぐに相談する
治療中や治療後に強い痛みや違和感がある場合、放置せず、すぐに歯科医師へ相談してください。
「これくらいは普通かな」と自己判断してしまうと、問題が悪化するリスクがあります。早めに相談した場合、装置の調整で簡単に対処できるケースもあります。小さな疑問や不安でも、遠慮なく歯科医師に伝えるのが、トラブルを未然に防ぐうえで大切です。
6-7.マウスピースは装着時間を守りお手入れを徹底する
マウスピース矯正を成功させるには、決められた装着時間を守り、装置を清潔に保つのが絶対条件です。1日20時間以上の装着が基本で、装着時間が守れないと歯は計画通りに動きません。
また、装置の手入れを怠ると、細菌が繁殖して虫歯や口臭の原因になります。マウスピース矯正は、取り外しができる手軽さの反面、患者さん自身の自己管理能力が求められる治療法です。
マウスピース矯正で失敗しないためにも、装着時間の遵守や毎日のお手入れを心がけましょう。
7.矯正治療で失敗してしまった場合の対処法
矯正治療で失敗してしまった場合の対処法は、以下の3つです。
- まずは治療を受けた担当医に相談する
- セカンドオピニオン(他の歯科医師の意見)を聞く
- 治療費の返金や再治療が可能か確認する
それぞれご紹介します。
7-1.まずは治療を受けた担当医に相談する
矯正治療の結果に不満を感じた場合、まずは治療を受けた担当医に正直に相談してみましょう。なぜ理想と違うのか、今後どう改善できるのかを直接確認するのが大切です。早めに伝えると、装置の簡単な調整で解決できるケースもあります。
1人で悩まず、まずは対話する機会を持つのが、問題をこじらせないために重要です。
7-2.セカンドオピニオン(他の歯科医師の意見)を聞く
担当医との話し合いで解決しない場合は、ほかの専門医の意見を聞くセカンドオピニオンを検討しましょう。第三者の専門家から客観的な診断を受けると、現在の状況を冷静に判断できる場合があります。
自分では気づかなかった問題点や、別の治療法の選択肢が見つかる可能性もあります。納得して次のステップに進むためにも、複数の意見を参考にするのがおすすめ。
7-3.治療費の返金や再治療が可能か確認する
明らかに医師側の説明不足や技術的な問題が失敗の原因と思われる場合は、治療費の返金や再治療が可能かを確認してください。まずは、治療前に交わした契約書や同意書の内容をよく見直しましょう。
歯科医院との話し合いで解決しない際は、地域の歯科医師会や、消費生活センターといった第三者機関に相談するのも1つの方法です。法的な問題も関わるため、冷静な行動が求められます。
8.まとめ
矯正治療の失敗には、口元の印象が悪くなった、理想と違う仕上がりになった、後戻りしたなどさまざまな症例があります。矯正治療の失敗を防ぐには、まずリスクを正しく知り、信頼できる医師と協力して治療計画を立てることが大切です。
この記事で紹介した失敗例の多くは、事前の情報収集や、医師との十分な対話、そして治療中の自己管理によって防げる場合があります。費用や見た目だけでなく、健康面まで含めて納得できる治療法を選択しましょう。
当院では、歯並びに関するご相談は無料でおこなっており、永久歯が生えそろったあとの方や、お子さまの歯並びが気になっている方、矯正治療を行ったが満足できなかった方、セカンドオピニオンの方など多くの方にご利用いただいております。矯正治療でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。