
「歯列矯正を受けたら、歯と歯の間に黒いすき間ができてしまった…」とお悩みの方はいませんか?
ブラックトライアングルと呼ばれる黒い隙間ができてしまうと、見た目を損なってしまいます。「このまま放っておいても大丈夫?」と不安になる方も少なくありません。
そこでこの記事では、以下の内容について解説していきます。
- ブラックトライアングルが自然に治らない理由
- 矯正によってブラックトライアングルができる理由
- ブラックトライアングルのデメリット
- ブラックトライアングルの治療・予防方法
この記事を最後まで読むことによって、5つの治療方法の中からあなたの症状にあった施術を選択できます。
ぜひ、最後までご覧ください。
目次
1.ブラックトライアングルの概要

ブラックトライアングルは、歯科の専門用語で「下部鼓形空隙」といいます。主な原因は歯肉の退縮や歯槽骨の減少です。
歯は逆三角形の形状をしているため、歯と歯が隣接してもぴったりとくっつきません。さらに、歯茎の高さが何らかの理由で下がってしまうと、より隙間が大きくなってしまうでしょう。
ブラックトライアングルは前歯にできやすく、審美性が失われます。さらに、食べ物が詰まりやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
1-1.ブラックトライアングルは自然に治らない!
ブラックトライアングルは、歯科医師による適切な治療を受けない限り、治ることはありません。
「そのうち隙間が埋まって治るかも」と自然治癒力を期待しないようにしましょう。
治療に保険が適用されるかは、歯の状態によるので一概に判断できません。もし隙間に隣接している歯が病気になっていれば、治療が目的となるため保険が適用される可能性があります。
ブラックトライアングルは自然に改善されないため、何らかの施術を受ける必要があります。
2.矯正によってブラックトライアングルができることもある
矯正をされた方のなかには、矯正によってブラックトライアングルができたという方もいらっしゃいます。
ブラックトライアングルができる原因は、以下の2つです。
- 矯正によって歯茎の腫れが治るから
- 歯の土台として不安定な部位に歯を並べるから
詳しく解説していきます。
2-1.矯正によって歯茎の腫れが治るから
歯列矯正で歯並びが整うと、歯周病などによる歯茎の腫れが改善され、その結果としてブラックトライアングルが見えるようになることがあります。
矯正前の歯並びが悪い状態では、歯ブラシが届きにくく汚れが溜まりやすいため、歯茎が炎症を起こして腫れている場合があります。この腫れた歯茎が、本来歯と歯の間にある隙間を隠している状態なのです。
矯正治療によって歯が綺麗に並ぶと、歯磨きが隅々まで行き届くようになり、歯茎の炎症が治まって健康的に引き締まります。その結果、これまで腫れによって隠されていた隙間がブラックトライアングルとして現れる、というわけです。
2-2.歯槽骨が不足している部分にも歯を並べるから
もともと歯が重なって生えていた場所など、歯を支える歯槽骨が不足している部分に矯正治療で歯をきれいに並べると、歯茎が骨のない部分まで上がれずにブラックトライアングルが生じることがあります。
歯と歯の間の歯茎の高さや形は、その真下にある歯槽骨の高さに大きく影響されます。歯が大きく重なり合っていたり、ガタガタだったりした部分は、もともと歯槽骨が十分に発達していなかったり、歯周病などで骨が吸収されて低くなっていたりする場合があるのです。
矯正治療で歯を理想的な位置に動かしても、その下の骨の量が足りなければ、歯茎はその骨がある高さまでしか盛り上がれません。結果として、歯と歯の間に三角形の隙間、つまりブラックトライアングルができてしまうのです。
3.矯正治療によってブラックトライアングルができやすい方の3つの特徴
矯正治療後にブラックトライアングルができやすい方には、以下ような共通点があります。
- 歯周病や歯肉炎になっている方
- 丁寧な歯磨きをしない方
- ご高齢の方
一度、歯科医師にご自身の歯がブラックトライアングルができやすい状態なのかを相談しましょう。
3-1.歯周病や歯肉炎になっている方
歯周病や歯肉炎が慢性的に起こっている方は、矯正治療後にブラックトライアングルができやすいとされています。
歯の病気にかかってしまうと、歯槽骨が溶かされ歯茎が下がってしまうからです。
また、元々歯の病気を患っていた方が治療を受けると、歯肉が引き締まり歯茎のボリュームが健全な状態に戻ります。その結果、健康な状態に戻ったにも関わらず、歯に黒い隙間ができてしまうケースもあるでしょう。
矯正前は歯科医師に歯周病や歯肉炎のチェックをしてもらってください。
3-2.丁寧な歯磨きをしない方
丁寧な歯磨きをしない方も、矯正治療後にブラックトライアングルになりやすい傾向があります。食事後に歯磨きをする習慣がなかったり、磨き残しがあったりする方は、虫歯や歯周病などの歯の病気が発症しやすいからです。
矯正治療の課程で、歯科医院から正しいブラッシングの方法を指導してもらいましょう。
また歯磨きの際は、歯周病の原因となる菌を効果的に殺菌できる「フッ素」が含まれた歯磨き粉を使用するのがおすすめです。
柔らかいブラシを使用して、歯の隙間や表面の汚れを優しく洗い落とすようにしてください。
3-3.ご高齢の方
加齢によって歯茎やそれを支える骨が若い頃よりも変化することから、ご高齢の方もブラックトライアングルができやすいとされています。
年齢とともに歯茎は少しずつ下がり、歯を支える骨もわずかに減少する傾向があります。これにより、歯と歯の間の歯茎を支える土台が元々弱くなっている場合が多いのです。
そこに矯正によって歯を綺麗に並べると、歯茎が隙間を埋めきれずにブラックトライアングルとして現れやすくなります。
4.矯正治療によってブラックトライアングルができるデメリット

矯正治療によってブラックトライアングルができるデメリットは、以下の3つです。
- 審美性を損なう
- 歯に汚れが溜まりやすくなる
- 日常会話に支障がでる
見た目の問題と放っておくと、歯の健康状態を悪化させてしまう可能性もあります。デメリットを正しく把握することで、想定外のトラブルを事前に避けられるでしょう。
4-1.審美性を損なう
ブラックトライアングルができると、見た目の美しさが損なわれてしまいます。せっかく矯正で歯を整えても、歯と歯の間に黒いブラックトライアングルができてしまうからです。
歯と歯の小さな隙間であれば目立ちませんが、隙間の面積が大きいと「老けて見える」「清潔感がない」と感じられてしまうことがあります。
人と食事をする場面や笑顔を見せるときは、前歯に人の視線が集まりやすいです。審美性を気にされている方には、大きなデメリットだと考えられます。
4-2.歯に汚れが溜まりやすくなる
ブラックトライアングルができることで、歯と歯の間に食べかすや汚れが残りやすくなってしまいます。隙間が広くなると歯ブラシが届きにくくなるからです。
食べカスや汚れを長期間放置していると、歯石になり口元の審美性を失うだけでなく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
特に歯周病は歯ぐきがさらに下がる原因にもなり、ブラックトライアングルがもっと広がってしまうという悪循環になりかねません。
定期的な歯科検診やフロスなどを使用したセルフケアを徹底するようにしてください。
4-3.日常会話に支障がでる
ブラックトライアングルによって発音がしづらくなり、日常のコミュニケーションに悪影響を及ぼす可能性があります。
たとえば、「サ行」や「タ行」の発音が難しくなり、相手との会話に支障が出るリスクがあります。すき間から空気が漏れることで、発音が不明瞭になることが原因です。
会話のストレスが重なると、自信を持って話すこと自体が億劫になりかねないでしょう。
5.ブラックトライアングルができるなら矯正はやめた方がいい?
ブラックトライアングルができる可能性があっても、矯正をあきらめる必要はありません。歯並びが整うことでブラッシングの効果が高まり、長期的に見れば口腔内の健康が向上するからです。
また、矯正後にすき間を埋める処置(レジン充填やベニアなど)を併用することで、万が一隙間ができたとしても見た目もきれいに仕上げることができます。
「ブラックトライアングルが心配だから矯正をしない」ではなく、歯科医師と相談し事前の準備を怠らないことで、納得のいく治療結果を得られるでしょう。
6.ブラックトライアングルを治療する5つの方法
ブラックトライアングルができたときの治療方法を5つ紹介します。
- ディスキング(IPR)
- レジンによる充填(ダイレクトボンディング)
- ラミネートベニアやクラウン治療
- 結合組織移植術(CTG)
- ヒアルロン酸の注入
どの治療が効果的なのかは、患者様の口腔状況に応じて変わります。治療を受ける前に、歯科医師に相談しましょう。
6-1.ディスキング(IPR)
ディスキング(IPR)とは、歯と歯の間をわずかに削る治療方法で、矯正治療中に実施されます。
歯のエナメル質を0.2~0.5mm程度削ることで、歯と歯がより密接しやすくなり、ブラックトライアングルをの目立ちにくい状態にできます健康な歯のエナメル質は2〜3mmなので、削り過ぎなければ歯がしみることはありません。
ただし、歯肉の退縮が起きている状態では、効果が期待できない点には注意が必要です。
6-2.レジンによる充填(ダイレクトボンディング)
ダイレクトボンディングは、レジンと呼ばれる白い歯科用プラスチックを歯に詰める治療方法です。
健康な歯を削る必要がなく、ほかの治療のように何度も歯科医院に足を運ぶ必要はありません。ブラックトライアングルが大きく、歯肉移植では治療が難しいケースでも対応が可能です。
ただし、歯科用プラスチックは経年劣化により変色が起きたり、汚れ(プラーク)が付着しやすかったりする短所があります。レジンの状態が悪化した場合は、再度治療を受けることをおすすめします。
6-3.ラミネートベニアやクラウン治療
ブラックトライアングルは、ラミネートベニアやクラウン(被せ物)による治療も有効です。
ラミネートベニアは薄いセラミックの板を歯の表面に貼り付ける治療です。隙間を美しくカバーでき、口元が自然な仕上がりになります。
また、クラウンは歯の全体を覆う被せ物を歯につけることで、隙間を埋められます。
デメリットとして、材料としてセラミックを使用するので、保険が適用されず治療費が高額になりやすいです。金銭的な余裕があれば、選択肢の1つになるでしょう。
6-4.結合組織移植術(CTG)
結合組織移植術(CTG)とは、上あごの内側などから歯茎の組織を採取し、隙間ができている歯茎へ移植する治療法です。
歯茎そのものを再建するため、根本的な改善が期待できます。加齢や歯周病などで歯茎が大きく下がっていても、CTGで対応が可能です。
注意点として、高度な技術力を持った歯科医師でないと治療ができません。特に、施術後は腫れや痛みが出ることもあるので、実績のある歯科医師に相談しましょう。
6-5.ヒアルロン酸の注入
歯茎にヒアルロン酸を注入することで、ブラックトライアングルを目立たせにくくできます。
歯肉が薄い部分にヒアルロン酸を注入し、歯茎のボリュームを増やすことが可能です。
隙間を埋めるために歯槽骨が厚い部位への移動が困難な場合、ヒアルロン酸による治療が適用されやすいです。
しかし、ヒアルロン酸は徐々に体内に吸収されてしまうため、歯茎のボリュームを一時的に増やす効果しかありません。定期的な検診やヒアルロン酸の注入が必要不可欠になります。
7.ブラックトライアングルの予防方法
ブラックトライアングルの予防方法は、以下の3つです。
- 丁寧に優しい歯磨きをする
- 歯の噛み合わせを改善する
- 定期的な歯科検診
日々の習慣によってブラックトライアングルを予防することができます。正しいケアについて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
7-1.丁寧に優しい歯磨きをする
日常的に、丁寧かつ優しく歯を磨くようにしましょう。磨き残しがないようにすることで、ブラックトライアングル最大の原因である歯周病を予防できます。また、力強くゴシゴシ磨いてしまうと、かえって歯茎が少しずつ下がってしまいます。そのため、柔らかい歯ブラシで歯の表面を優しく磨くようにしてください。
また、歯と歯の間にフロスを使用することで、さらなる歯周病予防にもつながります。歯と歯の歯垢やプラークを除去し、歯の表面を清潔に保つことでブラックトライアングルを未然に防げます。
7-2.歯の噛み合わせを改善する
歯の噛み合わせを改善するのも、ブラックトライアングルの予防として効果的です。噛み合わせがずれてしまうと特定の歯に負担が集中し、歯茎が下がりやすくなるからです。
矯正前にしっかりと噛み合わせの診断を受け、必要に応じて上下の歯のバランスを整えましょう。また、無意識のうちに食いしばりや歯ぎしりをしていないかを、あわせて確認してください。
正しい噛み合わせなのかは見た目だけでは判断しにくいため、歯科医師の診断を受けることをおすすめします。
関連記事:インビザラインで噛み合わせが悪くなる?原因と対処法を解説
7-3.定期的な歯科検診
定期的に歯科医院の治療を受けるようにしましょう。歯周病の初期症状や歯茎の状態を確認してもらうことで、口腔状況を清潔に保てるからです。
また、正しいブラッシングができていなければ、歯科医師から直接指導を受けられます。
また、長年汚れが落としきれず歯石になっている場合、歯科医院でクリーニングを受けることで取り除いてもらえます。
定期検診は、3〜6ヶ月に一度は受診しましょう。汚れを落としきり正しい習慣を身につけることが大切です。
8.まとめ
矯正後にブラックトライアングルができてしまう原因や治療・予防方法について解説しました。
歯に黒い隙間ができてしまうと自然に治癒することはありません。口腔状況を改善したい場合は、専門の治療を受ける必要があります。
日々のブラッシングや定期的なメンテナンスをしっかり行うことで、お口の健康状態を保てます。美しい口元を失いたくない人は、一度歯科医師に相談しましょう。
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