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インビザラインでチューイーを噛みすぎた際のリスクと対処法

「インビザラインチューイは噛めば噛むほど良いの?」
「インビザラインでチューイーどのくらいの力や時間で噛むのが正解かわからない」
「インビザラインのチューイを噛みすぎるとどんなリスクがあるの?」
インビザラインで満足のいく仕上がりを目指す方のなかには、上記のようなお悩みをお持ちの方もいるのではないでしょうか?
インビザラインのチューイーを噛みすぎると、歯の動きの妨げやマウスピースの破損・変形につながります。本記事では、インビザラインでチューイーを噛みすぎた際のリスクと対処法を解説します。
インビザラインで使用するチューイーの使用時間・頻度・交換時期の目安もご紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

目次

1.インビザラインのチューイーとは?

インビザラインのチューイーとは、マウスピース(アライナー)を歯にしっかりとフィットさせるために使用する、弾力のあるシリコン製の補助道具です。
インビザラインは、マウスピースを装着すると歯が動く仕組みですが、手で装着しただけでは歯とマウスピースの間にわずかな隙間ができてしまう場合があります。この隙間を浮きと呼び、浮きがあると歯が計画通りに動かせません。
チューイーをガムのように噛むと、マウスピースが歯に均等な力で押し付けられ、しっかりと密着するため、治療計画通りに歯が動くのを助け、矯正の効果を高められます。

関連記事:インビザラインのチューイーとは?使い方や注意点を徹底解説
関連記事:インビザラインが浮く!原因と対処法を解説

2.インビザラインのチューイーを噛みすぎるとどうなる?

インビザラインのチューイーを噛みすぎると起こり得るリスクは、以下の4つです。

  • マウスピース(アライナー)が破損・変形する
  • 逆に歯の動きを妨げるリスクがある
  • 顎関節に負担がかかり顎が痛む
  • 歯や歯茎に過度な負担がかかり痛みが出る

1つずつ見ていきましょう。

2-1.マウスピース(アライナー)が破損・変形する

チューイーを強く噛みすぎると、薄いプラスチックでできているマウスピース(アライナー)の破損や、変形が起こるリスクがあります。
チューイーは弾力がありますが、毎日強い力で一点を集中して噛み続けると、アライナーに目に見えないヒビが入ったり、縁が欠けたりする原因になります。とくに奥歯で強く噛み締める癖がある方は注意が必要です。
アライナーが変形してしまうと、計画通りに歯を動かす力がかからなくなり、治療の進み具合に影響が出る場合もあります。

2-2.逆に歯の動きを妨げるリスクがある

チューイーの過度な使用は、歯の正常な動きを妨げるリスクがあります。
インビザラインは、アライナーが歯に適切な力をかけ続けると歯が動く仕組みです。しかし、チューイーを必要以上に強く噛むと、歯に対して瞬間的に強すぎる力がかかるため、これが繰り返されると、歯の根やその周りの組織がダメージを受け、歯の移動が妨げられる場合があります。
チューイを噛めば噛むほど良いのではと思っておこなった行動が、逆に治療の遅れにつながる場合もあるため、歯科医師から指示された適切な力加減を守ることが大切です。

2-3.顎関節に負担がかかり顎が痛む

チューイーを長時間または強く噛みすぎると、顎の関節に負担がかかり、痛みや違和感が出る場合があります。
チューイーをガムのようにずっと噛み続けたり、硬いものを噛み砕くような強い力で噛んだりすると、顎の筋肉が疲労してしまいます。その結果、口を開けにくくなったり、カクカクと音が鳴ったりするリスクも否定できません。
インビザライン治療中は噛み合わせが変化しており、顎はデリケートな状態なため、余計な負担をかけないよう注意しましょう。

2-4.歯や歯茎に過度な負担がかかり痛みが出る

チューイーを噛みすぎると、治療中のデリケートな歯や歯茎に過剰な圧力がかかり、痛みを感じる原因になります。
インビザラインは、歯を動かすために常に力がかかっている状態です。とくに新しいアライナーに交換した直後は、歯が移動を始めるため痛みが出やすい時期です。そのタイミングでチューイーを強く噛みすぎると、歯の根や歯茎に余計な刺激が加わり、痛みを悪化させる場合があります。
チューイーは歯全体を優しく押し込むイメージで使い、痛みを感じるほど強く噛むのは避けましょう。

3.インビザラインでチューイーを噛みすぎて痛い場合の対処法

インビザラインでチューイーを噛みすぎて痛い場合の対処法は、以下の4つです。

  • 休憩を取る・使用頻度を減らす
  • 噛む力を調整する・柔らかいチューイーを選ぶ
  • 痛みがひどい場合は冷やす
  • 痛みがひどい場合は我慢せず歯科医院に相談する

1つずつご紹介します。

3-1.休憩を取る・使用頻度を減らす

チューイーを噛んで痛みを感じた場合、まずは使用を一時的に中断し、歯や顎を休ませましょう。
痛みは負担がかかりすぎている体からのサインです。無理して噛み続けると、歯茎が炎症を起こしたり、顎関節を痛めたりする原因にもなります。痛みが落ち着くまではチューイの使用を控え、再開する際も1回の使用時間を短くしたり、1日の使用回数を減らしたりするなど、様子を見ながら調整してください。
とくにマウスピース交換直後は痛みが出やすいため、焦らず少しずつ慣らしていくことが重要です。

3-2.噛む力を調整する・柔らかいチューイーを選ぶ

痛みを防ぐためには、チューイーの噛む力を調整したり、より柔らかい素材のものに変更したりするのがおすすめです。
チューイーは、アライナー(マウスピース)を歯にしっかりフィットさせるために使うもので、ガムのように強く噛み続ける必要はなく、軽くカチカチと噛む程度でも効果は期待できます。軽く噛んで痛みを感じる場合、使用中のチューイーが硬すぎる場合があります。
チューイーにはさまざまな硬さや形状があるため、柔らかいタイプに変えてみるのも1つの手段です。

3-3.痛みがひどい場合は冷やす

噛みすぎによる痛みがひどく、歯茎や顎に熱を持っているように感じる場合は、患部を冷やすのが応急処置として効果的です。歯茎や顎に炎症が起きている場合があるため、冷やしたタオルや冷却シートなどを頬の外側から当てて、熱を冷ましましょう。
ただし、氷を直接口に含んで急激に冷やしすぎると、かえって歯の神経を刺激してしまう場合があります。あくまで冷やす程度にとどめておくのがポイントです。
この方法は一時的な痛みの緩和が目的のため、痛みが引かない場合は早めに歯科医院を受診しましょう。

3-4.痛みがひどい場合は我慢せず歯科医院に相談する

これまで紹介した対処法を試しても痛みが続く場合や、日常生活に支障が出るほどひどい場合は、我慢せずに歯科医院へ相談してください。
痛みは、チューイーの噛みすぎだけでなく、マウスピースが正しく合っていない、あるいは別の口内トラブルが原因で起きているケースもあります。自己判断で痛みを放置してしまうと、治療計画に遅れが出たり、健康な歯や顎に悪影響をおよぼしたりするリスクがあります。
インビザラインを成功させるためにも、歯科医師に現状を正確に伝え、適切な指示を受けるようにしましょう。

4.インビザラインにおけるチューイーの正しい使用方法

インビザラインにおけるチューイーの正しい使用方法は、以下の4つです。

  • マウスピースを装着してからチューイーを準備する
  • 前歯から奥歯に向かって順番に噛む
  • アライナーが浮きやすい部分を入念に噛む
  • 左右均等に全体的に噛み込む

1つずつ見ていきましょう。

4-1.マウスピースを装着してからチューイーを準備する

チューイーは、マウスピース(アライナー)をご自身の歯に装着した状態で使用してください。
指でマウスピースをできるだけ奥まで装着したあと、チューイーを噛むと、浮きやすい部分をさらに歯に密着させられます。
マウスピースの装着前チューイを噛んだり、マウスピースをはめるためにチューイーを使ったりするのは間違った使用法です。まずは両手でマウスピースを歯全体にはめ込み、その上からチューイーを使ってフィット感を高める、という順番を守りましょう。

4-2.前歯から奥歯に向かって順番に噛む

チューイーを噛む際は、前歯から始めて徐々に奥歯に向かって移動させながら噛んでいくのが基本的な使い方です。
まずは前歯でチューイーを数回噛み、次にひとつ隣の歯、さらにその隣へと、順番に位置をずらしていきます。こうすると、マウスピース全体が歯に均等に密着しやすくなります。
片側だけを集中的に噛むのではなく、右の前歯から奥歯へ、次に左の前歯から奥歯へといった具合に、すべての歯で噛むよう意識してください。
この手順を踏むと、特定の部分だけ強く当たりすぎるのを防げます。

4-3.アライナーが浮きやすい部分を入念に噛む

チューイーは、マウスピース(アライナー)が歯から浮きやすい部分を入念に噛むと効果的です。
歯を大きく動かす部分や、歯並びが複雑な部分は、マウスピースが歯にぴったりとフィットしにくい場合があります。鏡でチェックして、マウスピースと歯の間に隙間が見える箇所は、ほかの部分よりもしっかりとチューイーを噛み込みましょう。
ただし、噛みすぎには注意が必要です。強く噛み続けるのではなく、数秒間グッと噛みしめる動作を繰り返すようにしてください。

4-4.左右均等に全体的に噛み込む

チューイーを使用する際は、左右どちらかに偏らず、口全体で均等に噛み込むのが重要です。
いつも同じ側ばかりで噛んでいると、片方の顎の筋肉や関節にだけ負担が集中し、痛みの原因となります。また、マウスピースのフィット感にも偏りが生じ、治療計画に影響が出るリスクもあります。
右の奥歯で噛んだら次は左の奥歯、といったように、必ず左右交互に、バランス良く噛む習慣をつけましょう。左右均等に噛み込むと、噛みすぎによる顎のトラブルを予防し、歯列全体を効率よく動かせます。

5.インビザラインで使用するチューイーの使用時間・頻度・交換時期の目安

チューイーの適切な使用時間は1日合計10分〜30分程度、頻度はマウスピースを装着するたびに毎回おこなうのが目安です。とくに新しいマウスピースに交換した直後の2〜3日間は、歯と装置が馴染んでおらず浮きやすいため、意識的に使用すると効果が高まります。
1回で長時間おこなうのではなく、1回あたり数分程度、前歯から奥歯まで全体的に噛むのを1日に数回繰り返すのがおすすめです。噛みすぎを防ぐためにも、ダラダラと噛み続けるのは避けましょう。
また、チューイーに弾力がなくなったり、ちぎれたりしたら交換時期です。

6.インビザラインでチューイーを正しく使用する効果・メリット

インビザラインにおけるチューイーの効果は、以下の5つです。

  • マウスピースを歯にしっかり密着させる
  • 歯の移動をスムーズにして矯正効果を高める
  • アライナーと歯の間に隙間ができるのを防ぐ
  • 顎の血行を促進して歯の動きを助ける
  • 治療計画通りに矯正を進めるための補助効果がある

それぞれご紹介します。

6-1.マウスピースを歯にしっかり密着させる

チューイーの効果は、マウスピース(アライナー)を歯にしっかりと密着させる点にあります。
インビザラインのアライナーは、交換したばかりの段階では硬く、手で装着しただけでは歯とアライナーの間にわずかな隙間が生まれやすい状態です。この浮きがあると、計画通りの矯正力が歯にかかりません。
チューイーを噛むと、ご自身の強い噛む力を利用してアライナー全体を歯列に深くに押し込めるため、奥歯や複雑な部分までアライナーが隙間なくフィットし、治療の精度を高められます。

6-2.歯の移動をスムーズにして矯正効果を高める

歯の移動をスムーズにして矯正効果を高めるのが、チューイーを使用するメリットです。
アライナーが歯に密着していないと、治療計画で設計された矯正力が歯に正しく伝わらず、歯が計画通りに動かせません。
チューイーを使ってアライナーをしっかり歯にフィットさせる習慣をつけると、矯正力が無駄なく継続的に歯にかかり続けます。その結果、歯はスムーズに予定された位置へ移動しやすくなり、インビザライン治療全体の効果を高められます。

6-3.アライナーと歯の間に隙間ができるのを防ぐ

アライナーと歯の間に隙間ができる浮きを防ぐのが、チューイーの大切な役割です。
新しいアライナーに交換した直後は歯と馴染んでおらず、わずかに浮きやすい状態です。この浮きを放置すると、歯が計画通りに動かないため隙間がさらに広がり、最終的にはアライナーが歯に合わなくなる場合があります。アライナーが歯に合わなくなると治療計画の修正や、アライナーの作り直しが必要になる場合もあります。
チューイーを噛むのは、アライナーの浮きを毎日リセットするのに重要な習慣です。

6-4.顎の血行を促進して歯の動きを助ける

チューイーを噛む運動は、歯の周囲や顎の血行を促進し、間接的に歯の動きを助ける効果も期待できます。
歯列矯正で歯が動くのは、歯の周りの骨が溶けたり、新しく作られたりする働きによるものです。チューイーを適度に噛む運動は、歯の根の周りにある組織や顎の骨の血行を良くするといわれており、血流が改善されると骨の代謝が活発になり、歯の移動がスムーズになると考えられています。
また、チューイを噛む刺激が、アライナー交換直後の圧迫感や痛みを和らげるのにも効果的です。

6-5.治療計画通りに矯正を進めるための補助効果がある

チューイーを正しく使用し続けると、治療計画通りに矯正を進めるための強力な補助効果が得られます。
インビザラインは、コンピュータ上で作成された精密なシミュレーションをもとにおこなわれますが、アライナーが歯に正しく密着していないと、歯は計画通りには動いてくれません。チューイーの使用を怠ると、少しずつ計画とのズレが生じ、治療期間の長期化やアライナーの作り直しが必要になるリスクがあります。
チューイーでアライナーの浮きを防ぎ、歯の移動をスムーズにすると、治療計画からの逸脱を防ぐのに役立ちます。

7.インビザラインでチューイーを使用する際の注意点

インビザラインでチューイーを使用する際の注意点は、以下の5つです。

  • 長時間・強く噛みすぎない
  • マウスピース交換後は入念に噛む
  • チューイーを清潔に保ち適切に保管する
  • 弾力がなくなったら新しいものに交換する
  • 痛みや違和感が続く場合は無理せず歯科医師に相談する

1つずつ見ていきましょう。

7-1.長時間・強く噛みすぎない

チューイーを使用する際に重要な注意点は、長時間連続して噛んだり、力を入れすぎて強く噛みすぎたりしないことです。
チューイの目的はアライナーを歯に密着させることであり、ガムのように噛み続けるためのものではありません。噛みすぎは、歯や歯茎、さらには顎の関節に過度な負担をかけ、痛みの原因となります。
また、強い力で噛むとアライナー自体が変形したり、破損したりするリスクも高まります。
1回あたり数分程度を目安にし、ジワッと圧をかけるイメージで使用しましょう。

7-2.マウスピース交換後は入念に噛む

新しいマウスピース(アライナー)に交換した直後は、チューイーを入念に噛むようにしてください。
新しいアライナーは、まだご自身の歯並びに完全にはフィットしておらず、わずかに浮いている状態です。交換したてのタイミングでチューイーをしっかり使うと、アライナーが歯に密着しやすくなり、アライナーが正しく装着されると、治療計画通りに歯を動かしやすくなります。
ただし、交換直後は痛みを感じやすいため、無理のない範囲で、前歯から奥歯までまんべんなく噛むように意識しましょう。

7-3.チューイーを清潔に保ち適切に保管する

チューイーは口腔内に直接入れるものなため、使用後は清潔にし、適切に保管しましょう。
使い終わったら水でよく洗い流し、清潔な場所で乾燥させてください。唾液がついたまま放置すると、細菌が繁殖しやすくなり、口臭や虫歯の原因にもなります。
マウスピースと同様に洗浄剤を使用し、保管する際は、専用のケースに入れるか、通気性の良い場所を選ぶようにしてください。

関連記事:インビザライン正しいお手入れ方法|洗浄剤の使い方や頻度も解説

7-4.弾力がなくなったら新しいものに交換する

チューイーは消耗品であるため、噛んでいて弾力がなくなったり、亀裂が入ったりしたら、新しいものに交換しましょう。
古くなって弾力を失ったチューイーを使い続けても、アライナーを歯に密着させる十分な圧力をかける効果が薄れていきます。また、劣化したチューイーは途中でちぎれるリスクもあります。
使用頻度にもよりますが、弾力性を確認し、弱くなってきたと感じた際は早めに交換するよう心がけてください。

7-5.痛みや違和感が続く場合は無理せず歯科医師に相談する

チューイーを正しく使用していても、歯や顎に強い痛み、または違和感が長く続く場合は、無理をせず歯科医師に相談するのが安心です。
痛みは、アライナーが正しくフィットしていないサインや、噛む力が強すぎるサインの場合があります。自己判断で我慢して使い続けると、歯茎や顎関節を痛める場合も。また、アライナーの浮きがチューイーを使っても改善しない場合は、治療計画に問題がある場合も考えられます。
不安な点は早めに歯科医師に確認してもらい、指示を仰ぎましょう。

8.まとめ

インビザラインのチューイーは、噛みすぎると歯や顎に痛みが出たり、アライナーが破損したりするリスクがあるため、正しい使用法を守るのが重要です。使用時間や頻度を歯科医師に確認し、指示にしたがいましょう。
正しいセルフケアを自宅でおこなうのが、治療を計画通りに進め、効率よく理想の歯並びを目指うためのポイントです。不安な点は抱え込まず、歯科医師にお尋ねください。
当院では、軽度な症例から難症例までさまざまな年代のさまざまな歯並びに対応しております。正しい使い方を分かりやすくご説明し、安心して治療を続けていただけるようサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。

岸本 雅吉

監修者情報理事長 歯科医師(歯学博士)
岸本 雅吉

一生を左右する矯正治療だから、真剣になって欲しい、そして矯正するのであればすべての方に健康で幸せになって欲しいと考えております。
当院へご相談いただいた方が、一生モノの歯並びを手に入れられるように最善を尽くします。

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