
「ワイヤー矯正にはどんな種類があるの?」
「どれが自分に合ったワイヤー矯正なのか分からない」
「ワイヤー矯正をすることで日常にどんな影響があるの?」
ワイヤー矯正を検討している方の中には、ワイヤー矯正で歯並びを改善したいけど、自分の歯並びの状態やニーズに合ったワイヤー矯正の種類が分からず、お悩みの方も多いのではないでしょうか。
ワイヤー矯正には、裏側矯正・表側矯正・ハーフリンガル矯正の3種類があります。それぞれの特徴やメリット・デメリットを正しく理解することで、自分に合った治療法を選択することが可能です。
この記事では、「ワイヤー矯正の種類や仕組み、矯正装置の違い」をご紹介します。
自分に合ったワイヤー矯正の選び方まで紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
目次
1.ワイヤー矯正とは?

ワイヤー矯正とは歯にブラケットという矯正装置を装着し、そこにワイヤーを通して歯に力を加えて動かす矯正方法のことです。
ワイヤー矯正を施す歯が部分的な場合は部分矯正、全体的な場合は全体矯正といいます。
様々な症例に対応できることから、より確実な矯正結果を求める場合に選ばれることが多いです。
1-1.ワイヤー矯正の仕組みとは?
はじめに、ワイヤー矯正の仕組みについて簡単に解説します。ワイヤー矯正では、以下の手順で歯を動かしていきます。
- ワイヤーの力によって、歯根と骨の間にある歯根膜という薄い膜に力を加えられる
- 歯が動く方向側の歯根膜が縮む
- 反対側が引っ張られるため歯根膜が引き伸ばされる
- 歯根膜の厚さが変化するに伴い、歯根膜と接している骨にも変化が生じる
伸びたり縮んだりした部分の歯根膜がもとに戻ろうとする際、骨を溶かす細胞や骨を作る細胞が作られる
この繰り返しによって歯が少しずつ動き、歯並びが改善していくのです。
1-2.ワイヤー矯正のメリット・デメリット
ワイヤー矯正には以下のメリット・デメリットがあります。
◇メリット
- 矯正装置を自己管理する必要がない
- 適応できる症例が多い
- 細かい調整がしやすい
◇デメリット
- 矯正装置が目立つ
- 食事がしづらい
- 歯磨きがしにくい
- 口腔内を傷つけやすい
- 痛みを感じやすい
ワイヤー矯正のメリットは適応できる症例が多く、矯正装置の自己管理が不要なことです。
一方で、矯正装置が目立ちやすく、食事や歯磨きをおこなうのが難しくなるデメリットもあります。
2.ワイヤー矯正の種類
ワイヤー矯正の種類は、主に以下の3種類です。
- 表側矯正(唇側矯正)
- 裏側矯正(舌側矯正)
- ハーフリンガル矯正
1つずつ解説していきます。
2-1.表側矯正(唇側矯正)
表側矯正とは、ワイヤーやブランケットといった矯正装置を歯の表側に取り付けて歯並びを改善する最もスタンダードな矯正方法です。
表側矯正は裏側矯正やハーフリンガル矯正よりも費用が抑えられる一方で、矯正装置が目立ちやすいのが特徴です。
この特徴から、表側矯正は費用をできるだけ抑えたい方に人気があります。
2-2.裏側矯正(舌側矯正)
裏側矯正はワイヤーやブラケットを歯の裏側に取り付け、歯並びを改善していく矯正方法です。
表側矯正とは違い、矯正装置が見えにくく、高度な技術が必要になることから、表側矯正よりも費用が高いです。
この特徴から、裏側矯正は矯正中の見た目が気になる方や人前に出る機会が多い方に人気があります。
2-3.ハーフリンガル矯正
ハーフリンガル矯正とは、矯正装置が見えやすい上顎の歯には裏側矯正、矯正装置が目立ちにくい下顎の歯には表側矯正を施す矯正方法のことです。
矯正装置が目立ちにくく、裏側矯正のみで矯正をおこなうよりも費用を抑えることができます。
この特徴から、ハーフリンガル矯正は費用を抑えつつも矯正中の見た目に気を使いたい方におすすめです。
3.ワイヤー矯正の種類別メリット・デメリット
ワイヤー矯正の種類別のメリット・デメリットを、以下にまとめました。
◇メリット
- 表側矯正:裏側矯正よりも費用が安い、裏側矯正と比べて滑舌への影響が少ない、比較的歯磨きがしやすい、適応できる症例が多い
- 裏側矯正:矯正装置が目立ちにくい、矯正装置に引っかかった食べかすが目立たない、舌癖の改善ができる
- ハーフリンガル矯正:上下の表側矯正よりも矯正装置が目立ちにくい、上下の裏側矯正よりも費用が抑えられる
◇デメリット
- 表側矯正:矯正装置が目立つ、口元に厚みが出やすい、矯正装置に引っかかった食べかすが目立つ、口内炎ができやすい
- 裏側矯正:表側矯正よりも費用が高い、表側矯正と比べて滑舌への影響が出やすい、歯磨きがしにくい、治療期間が長期化しやすい
- ハーフリンガル矯正:受け口といった下の歯が見える人には不向き、対応できる歯科医院が少ない、痛みや違和感を覚えやすい、滑舌にやや影響が出る
上記のメリット・デメリットを踏まえ、以下にワイヤー矯正の種類別の特徴を簡潔にまとめました。
「表側矯正は矯正装置が目立ちやすいが、費用は抑えられる」
「裏側矯正は矯正装置は目立ちにくいが、比較的費用が高い」
「ハーフリンガル矯正は費用を抑えつつも、矯正装置が目立ちにくい」
ぜひ、ワイヤー矯正の種類を選ぶ際の参考にしてください。
4.ワイヤー矯正の装置の種類(ワイヤー編)
ワイヤー矯正で使用されるメタルワイヤーの種類は、主に以下の5種類です。
- ニッケルワイヤー
- ステンレススチールワイヤー
- βチタンワイヤー
- ホワイトワイヤー
- コバルトクロムワイヤー
1つずつ解説していきます。
4-1.ニッケルチタンワイヤー
ニッケルチタンワイヤーは、形状記憶、耐久性、超弾性、高い柔軟性が特徴です。
従来のステンレススチールワイヤーよりも摩擦が生じにくいため、歯の移動がよりスムーズになり、ワイヤー交換の頻度を減らすことが可能です。
また、弱い力で効果的に歯を動かし、痛みを軽減できることから、特に矯正治療の初期段階で多く用いられています。
4-2.ステンレススチールワイヤー
ステンレススチールワイヤーは、歯を動かす力、錆びにくさ、剛性、耐久性に優れています。
高い剛性と安定した力を歯に加えられることから、矯正治療の中期から後期にかけて使用されます。
ただし、ニッケルチタンワイヤーと比べて柔軟性が低いため、装着時には痛みを感じやすいです。
4-3.βチタンワイヤー
βチタンワイヤーは、超弾性、柔軟性、歯を動かす力がニッケルチタンワイヤーよりも強いのが特徴です。
強度と柔軟性のバランスに優れているため、歯を正しい位置に固定しながら、細かい調整をおこなう矯正治療の終盤に使用されます。
4-4.ホワイトワイヤー
ホワイトワイヤーには、メタルワイヤーを白い樹脂でコーティングしたものと、メタルワイヤーを白く塗装したものの2種類があります。
ホワイトワイヤーは、通常、銀色であるワイヤーの色が白いため、目立ちにくいのが特徴です。
ただし、メタルワイヤーを白く塗装したワイヤーは、使用しているうちに塗料が剝がれてしまい、金属部分が露出する恐れがあります。
ホワイトワイヤーはメタルワイヤーよりも費用が高くなるケースが多いため、見た目と費用を考慮したうえでの検討が必要です。
4-5.コバルトクロムワイヤー
コバルトクロムワイヤーはステンレススチールワイヤーよりも高い柔軟性を持ち、変色しにくいのが特徴です。
また、強度にも優れているため、歯に過度な負担をかけずに矯正をおこなえます。
この特徴から、コバルトクロムワイヤーはステンレススチールワイヤーのような強度と、ニッケルチタンワイヤーのような柔軟性が必要な場面で用いられることが多いです。
歯科医院によって、使用するワイヤーの種類は異なります。
矯正中の歯並びの状態や見た目、費用、金属アレルギーの有無などの観点から、ワイヤーの種類を歯科医師と一緒に検討しましょう。
5.ワイヤー矯正の装置の種類(ブラケット編)
ワイヤーの装置で使用されるブラケットの種類は、主に以下の7種類あります。
- メタルブラケット
- プラスチックブラケット
- セラミックブラケット
- ハイブリッドブラケット
- ジルコニアブラケット
- リンガルブラケット
- セルフライゲーションブラケット
1つずつ解説します。
5-1.メタルブラケット
メタルブラケットは、ステンレススチールやチタンなどの素材でできています
平均費用は、約30万~80万円です。
◇メリット
- 強度や耐久性が高いため、破損リスクが低い
- 比較的費用が安い
- 重度の歯並びにも対応できる
◇デメリット
- 矯正装置が目立つ
- 口内炎ができやすい
5-2.セラミックブラケット
セラミックブラケットは、高品質なセラミック素材でできています。
平均費用は約65万円~100万円です。
◇メリット
- 歯に近い色味を再現できるため、矯正装置が目立ちにくい
- 飲食物によって変色する可能性が低い
◇デメリット
- メタルブラケットよりも強度はやや劣る
- 費用が高い
- 取り外す際に、歯の表面を傷つけてしまう恐れがある
5-3.プラスチックブラケット
プラスチックブラケットは、ポリマー素材でできています。
平均費用は、約60万円~90万円です。
◇メリット
- 矯正装置が目立ちにくい
- メタルブラケットよりも口腔内への刺激が少ない
◇デメリット
- メタルブラケットやセラミックブラケットに比べて耐久性が低く、破損しやすい
- 着色性の高い飲食物によって変色するリスクがある
- 表面が粗いため、歯垢が付着しやすい
5-4.ハイブリッドブラケット
ハイブリッドブラケットは、プラスチックとセラミックを組み合わせて作られています。
平均費用は、約35万~80万円です。
◇メリット
- 矯正装置が目立ちにくい
- プラスチックブラケットやセラミックブラケットよりも費用が安い
◇デメリット
- メタルブラケットよりは費用がやや高額になる
5-5.ジルコニアブラケット
ジルコニアブラケットは、目立ちにくさとメタルブラケットと同等の強度が特徴になります。
平均費用は、約65万円~100万円です。
◇メリット
- 矯正装置が目立ちにくい
- メタルブラケットと同等の強度があり、破損しにくい
- 着色性の高い飲食物による変色が生じにくい
- 表面が滑らかなため、歯垢が付着しにくく違和感も少ない
◇デメリット
- 費用が高い
5-6.リンガルブラケット
裏側矯正で使用するブラケットを、リンガルブラケットといいます。
平均費用は、約80万円~約150万円です。
◇メリット
- 裏側の歯に装着するため、矯正装置が目立たない
- 口を閉じた際、表情への影響が少ない
◇デメリット
- 滑舌に影響が出やすい
- 費用が高い
5-7.セルフライゲーションブラケット
セルフライゲーションブラケットは、ワイヤーを固定する際に細いリングやゴムを使用しない矯正装置のことです。
平均費用は、約70万円~110万円かかります。
◇メリット
- 痛みが少ない
- 治療期間が短い
- リングやゴムを使用しないため、歯磨きがしやすい
- 歯周組織にかかる負担を軽減できる
- 抜歯をせずに矯正ができる可能性がある
◇デメリット
- 比較的費用が高い
- 矯正装置に厚みがあるため、違和感を覚えやすい
- ワイヤーの保持力が劣るため、歯の捻じれや傾きを治すのには時間がかかる
- ワイヤーが動いてしまう恐れがある
6.ワイヤー矯正が日常に及ぼす影響とは?

ワイヤー矯正をおこなうことで、日常生活に以下のような変化が生じます。
- 食べ物に制限がかかる(硬い食べ物・粘着性の高い食べ物・歯に挟まりやすい食べ物)
- 口内炎ができやすい
- 歯磨きがしにくくなる
- 滑舌が悪くなる
1つずつ解説します。
6-1.食べ物に制限かかる
ワイヤー矯正中は、食べ物に制限がかかります。
特に、「硬い食べ物」「粘着性のある食べ物」「歯に挟まりやすい食べ物」に注意が必要です。
硬い食べ物は、ブラケットやワイヤーなどの矯正装置を破損させてしまう原因になります。
粘着性のある食べ物や歯に挟まりやすい繊維質な食べ物などは、矯正装置に磨き残しが生じやすく、虫歯や歯周病のリスクを高めるためです。
丁寧な歯磨きはもちろん、食材を小さく切ってから食べる、柔らかくなるまで食材を煮込むなど、調理の工夫を心がけてください。
6-2.口内炎ができやすい
ワイヤー矯正では、ワイヤーやブラケットが口腔内の粘膜に触れることで摩擦や刺激が生じ、口内炎ができやすくなります。
特に矯正装置に慣れていない最初の頃は、口内炎ができやすいです。口内炎ができてしまったときは、塗り薬や貼り薬の使用や飲み薬の服用、矯正用ワックスを使用して痛みを和らげましょう。
また口内炎の予防法として、口腔内ケアの徹底、生活習慣の見直しが効果的です。
痛みが強くて我慢できない、口内炎がなかなか治らない、または繰り返しできてしまうなど、口腔内に違和感を覚えた場合は、放置せず早めに歯科医師へ相談し、適切な指示を仰ぎましょう。
6-3.歯磨きがしにくくなる
口腔内にワイヤーやブラケットなどの矯正装置があることで、歯磨きがしにくくなります。
歯磨きがきちんとできていないと、虫歯や歯周病、口臭などの様々な口腔内トラブルを引き起こすことがあります。
6-3-1.ワイヤー矯正中の正しい歯磨き方法
ワイヤー矯正中の正しい歯磨き方法を、以下で部分別にご紹介します。
- ワイヤーの周り:歯ブラシを斜め45度に傾け、ワイヤーに沿って磨きましょう。毛先を細部まで届くように意識するのがポイントです。
- ブラケットの周り:特に汚れが付着しやすい場所です。歯ブラシを斜め上や斜め下など、角度を変えて念入りに磨いてください。
- ワイヤーと歯の間:矯正装置が邪魔になって磨きにくい部分です。歯ブラシを縦に向け、毛先をワイヤーの下に少しだけ通して磨きましょう。
- 歯と歯茎の間:この部分に歯垢が溜まったままだと、縁下歯石になってしまいます。矯正装置の周りだけでなく、歯と歯茎の間も優しく磨いてください。
- 前歯の裏:歯ブラシを縦に向けて歯ブラシの下の部分を上手く使い、汚れを落とすのがポイントです。
- 奥歯:奥歯は矯正中に関係なく磨き残しが生じやすいため、歯ブラシの毛先を使い、頬側と舌側もしっかり磨いてください。
ワイヤー矯正中の歯磨きでは、歯ブラシの毛先をしっかりと歯や歯と歯茎の間に当てて、小刻みに動かしながら優しく磨くことが大切です。
汚れを落とそうとして強く磨いてしまうと、歯や歯茎にダメージを与えてしまいます。
過度に力が入らないように、歯ブラシは鉛筆を持つように握りましょう。
また、ワイヤー矯正の歯磨きは通常の歯磨きと比べて難しいため、歯間ブラシ、デンタルフロス、矯正用歯ブラシ、タフトブラシなどのデンタルグッズを活用しましょう。
6-4.滑舌が悪くなる
ワイヤー矯正の矯正装置に慣れるまでは、一時的に滑舌が悪くなりやすいです。
ワイヤーやブラケットなどの異物が口腔内にあるため、口や舌が動かしにくくなるからです。
口内炎がある場合は、傷口を避けるために口や舌の動きを自分自身で制限してしまうことも。個人差はありますが、矯正装置に慣れるまで約1週間~1ヵ月かかります。
7.自分に合ったワイヤー矯正の種類の選び方3選
自分に合ったワイヤー矯正の種類を選ぶときの目安は、主に以下の3つです。
- 見た目を重視したい
- 費用を抑えたい
- 見た目も費用も重視したい
1つずつ解説していきます。
7-1.見た目を重視したい
矯正中の見た目が気になる方には、裏側矯正がおすすめです。
ただし、裏側矯正は表側矯正よりも費用がかかります。
矯正中の見た目がどうしても気になる方は、表側矯正で使用する矯正装置を工夫したり、ハーフリンガル矯正も視野に入れたりするのもおすすめです。
7-2.費用を抑えたい
費用を抑えたい方には、表側矯正が向いています。
使用する矯正装置にも価格の違いがあるため、効果も十分に考慮したうえで選ぶのが重要です。
7-3.見た目も費用も重視したい
「矯正装置が目立たないように矯正したい」「でも、費用もできるだけ抑えたい」と考えている方には、ハーフリンガル矯正が向いています。
矯正装置が目立つ上顎の歯には、矯正装置が目立ちにくい裏側矯正を、矯正装置が目立たない下顎の歯には、費用が比較的安い表側矯正をおこなうことで、費用を抑えつつも矯正装置が目立たないように歯並びを改善できます。
8.まとめ
ワイヤー矯正には、表側矯正、裏側矯正、ハーフリンガル矯正の3種類があります。
ワイヤー矯正は、矯正の種類や使用する矯正装置によって費用や治療期間に差があるため、自分の歯並びの状態やニーズに合った矯正方法を選ぶことが重要です。
ワイヤー矯正で日常生活に支障がでた際は、前述した対処法や工夫をおこなうか、歯科医師に相談してください。
自分に合ったワイヤー矯正で安全かつ効果的に歯並びを改善し、自信に満ち溢れた笑顔を手に入れましょう。
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