症例紹介 CASE

重度の八重歯、2重歯列の矯正治療(小臼歯非抜歯、非削合)

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治療内容 重度の八重歯、2重歯列の矯正治療(小臼歯非抜歯、非削合)
主訴 健康な歯を抜かずに矯正治療したい。
治療期間 1年8か月
リスク・副作用 成人の矯正治療では、骨格的な問題により歯肉が下がる場合(歯肉退縮)があります。特に、八重歯や埋伏歯、傾斜歯などにみられることがあります。
治療費用 1,210,000円(税込)

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矯正医からのコメント

重度の八重歯と2重歯列の矯正治療を行いました。

患者の年齢は12歳であり上顎の劣成長を認めたため、急速拡大装置にて骨格的な改善を行いながら、平行して下顎の矯正治療を開始しました。

相対的に下顎骨が大きい場合、上顎を拡大しなければ適切なかみ合わせはできません。マウスピース矯正だけでは治療は不可能です。骨格的な改善+矯正治療が必要です。

そのためには、急速拡大装置+マルチブラケットシステムもしくは、急速拡大装置+マウスピース矯正の2択になりますが、上顎の拡大中に下顎も平行して治療を進めるためマルチブラケットシステムを用いました。

治療期間は1年8か月でした。本症例のように乱れが強い場合や骨格的な改善が必要な場合には、1年半から2年ほどの治療期間となることが多いです。

なお、右下4の変色に関しては、若年者であったことからトランジェントアピカルブレイクダウン(TAB)が起き、2025年現在歯髄の生活反応があり、歯の色も元通りになっております。

このような現象は、脱臼性の外傷を被った637本のうち、27本(4.2%)にみられたことが報告されている論文もあるため、非常にまれであり、予測不可能な現象です。

医療には限界がありますので、矯正治療のリスクおよび副作用を理解したうえで治療を開始していただければと思います。

今後も歯髄充血や歯髄壊死には留意して矯正治療をおこなっていきたい所存です。